測定サービス
本サービスは、テクトロニクス社製オシロスコープ「DSA70804C」と差動プローブ「P7360A」及び同製品上のアプリケーションソフトウェア「DDRA」を使用して、ご提供頂いた基板上のDDR/DDR2/DDR3-SDRAM(以下、DDRメモリと記載)のJEDEC規格を測定し、その測定結果をご報告するサービスです。本サービスをご利用されるにあたり、事前にご確認頂きたい事項を記載しております。
1. 受託対象構成、条件
(1) 基板の状態について
- 本サービスの対象となる基板は、JEDEC準拠のDDRメモリを搭載した基板で、DDRメモリと制御デバイス間の配線において、DDRメモリ近傍でオシロスコープをプロービング可能な測定ポイント(又は、プロービング可能なダンピング抵抗等の部品)が存在する基板です(GND側のプロービングも含みます)。
- 測定項目によっては、コマンド系(ADDR/BANK ADDR等)やデータ(DQ)など、DDRメモリ1個に対して複数の信号経路が測定対象になりますので、対象信号経路毎に測定ポイントが必要になります。
(2) DDRメモリへのアクセスについて
- DDRメモリへのアクセス(リード及びライト)のデータ値が、一定期間中に変化している必要があります。
- 何らかの手段により、DDRメモリへのアクセスが、正常にライト/リードできていることを確認できる必要があります。適切でないプロービング等によりアクセスが不正になっている場合、その検出が必要です。
- 本サービスの対象となるDDRメモリクロック速度は、800MHz(1600Mbps)以下です。
2. 測定結果について
(1) 測定結果については、「DDRA」でのレポート出力フォーマットに従い、*.mhtファイルにてご提供致します。なお、測定結果としてご提供可能な規格値としては、以下のものがございます(DDR2での例)
①CLOCK系(差動測定)
- InputSlew-Diff-Fall/Rise(CK)
- tERR(2per),tERR(3per),tERR(4per),tERR(5per)
- tCH(abs),tCH(avg),tCL(abs),tCL(avg)
- tERR(6-10per),tERR(11-50per)
- tCK(abs),tCK(avg)
- VID(ac)
- tJIT(cc),tJIT(per),tJIT(duty)
②CLOCK系(シングルエンド測定)
- AC-Overshoot(CK),AC-Overshoot(CK#)
- AC-UndershootArea(CK),AC-UndershootArea(CK#)
- AC-OvershootArea(CK),AC-OvershootArea(CK#)
- Vix(ac)CK
- AC-Undershoot(CK),AC-Undershoot(CK#)
- VSWING(MAX)CK,VSWING(MAX)CK#
③ADDR/CMD系
- AC-Overshoot,AC-OvershootArea
- Slew Rate-Setup-Fall/Rise(Add/Cmd)
- AC-Undershoot,AC-UndershootArea
- tIH(base),tIH(derated)
- InputSlew-Diff-Fall/Rise(CK)
- tIPW-High,tIPW-Low
- Slew Rate-Hold-Fall/Rise(Add/Cmd)
- tIS(base),tIS(derated)
④DQ/DQS(差動) WRITE Burst
- Data Eye Height, DQ, DQS
- tDS-Diff(base),tDS-Diff(derated)
- Data Eye Width, DQ, DQS
- tDSH-Diff,tDSS-Diff
- InputSlew-Diff-Fall/Rise(DQS), DQS
- Slew Rate-Setup-Fall/Rise(DQ)
- tDH-Diff(base),tDH-Diff(derated)
- Slew Rate-Hold-Fall/Rise(DQ)
- tDQSH,tDQSL
- tWPRE,tWPST
- tDQSS-Dif
⑤DQ/DQS(差動) READ Burst
- Data Eye Height, DQ, DQS
- tQH
- Data Eye Width, DQ, DQS
- tDQSCK
- tAC-Diff
- tRPRE,tRPST
- tDQSQ-Diff
(2) その他、上記測定結果を取得する際の各種条件(周囲温度、電圧、基板シリアルNo、取得信号経路、 ダンピング抵抗値)については、別途テキストファイルもしくはEXCELファイルにてご提供致します。
(3)
各項目の測定結果は、オシロスコープ上のアプリケーションソフトウェア「DDRA」より、ブラウザでご確認頂ける、*.mhtファイル形式でご提供致します。
下図1に、ブラウザでの表示例を抜粋して示します。
図1. 測定結果のブラウザでの表示例(抜粋)
3. 測定結果に関する免責事項
(1) 本サービスは、JEDECで規定されております、DDRメモリの各種規格項目を測定することのみを目的としており、測定した結果により、DDRメモリの動作を保証するものではありません。
(2)
本サービスで測定する各数値は、ご提供頂く基板での最悪値を保証するものではありません。
測定値を取得する時のメモリアクセスしているデータ値や、プロービングの接続状態(プローブ側へのダンピング抵抗値の選択を含む)、メモリアクセス以外の基板上の要因によって数値は変動します。
4. 費用に関して
本サービスの費用は、測定項目数/測定に使用する差動プローブの本数(累積)として算出致します。
費用例(実際の費用は、別途お問い合わせ下さい)
例1: 測定項目は①クロックジッタ/振幅関係のみ
メモリ1個 20~30万円程度
例2: 測定項目は①~⑤の全項目
メモリ2個 60~80万円程度